せん妄(父親の介護)
おはようございます😀タルタルです
少し前にせん妄の症状の患者さんにお医者さんが訴えられた判決が話題になっていましたね。せん妄ってあまりなじみのなかった言葉だけに術後にそんなことが起こるのか?と思われた方も多いかもしれませんね。
せん妄と言って私が思い出すのは父の介護です。
父は、皮膚癌で亡くなっているのですが、ガンであったことのショックが大きく少しうつ状態にもなりました。
転移した皮膚癌から出血などがあって入院していた頃だったかな。
付き添いや看病は主に私一人でしていたんですが、その日は日中は自分のお風呂や着替えやらで一旦家に帰っていたんです。
でも、しばらくして病院から呼び出しがあっていくと看護師さんからせん妄のことを聞かされたんです。
「父が素っ裸で廊下を走ってました」って。
えぇ?どういうこと??
と、?な私でした。せん妄という言葉を聞いたのも初めてです。
どうも薬のせいもあってか夢を見ているような状態らしいのです。
でも、なぜ素っ裸になったのかはわかりませんが、とにかく服を脱いだり、尿管を引っこ抜いたりしちゃうので、自分では服が脱げないような介護用の寝間着になったのを覚えています。
正直、自分の父親が、素っ裸で病院の廊下を走るなんてショックでした。
でも、数日後に父に付き添っていると、ムクッと半身起き上がって、ベットの下を指差し、
「タルタル、蟹がおるぞ。綺麗な水に魚がおるぞ」
「船に乗ってとるぞ」
と、さも本当にベットの下に海が広がって蟹や魚が泳いでいるようなそんな風に父が表現するのを見て驚いたことがあります。
これがせん妄かと。
でも、その表情はとても穏やかで父が見ている光景が私にも伝わってくるようなそんな不思議なせん妄でした。
父は漁師をしていたのでそのような幻想を見たのかもしれません。
ではなぜすっぽんぽんに?という疑問は残るものの、漁師だったからパンツ一丁ということもよくあったからしら。と自分を納得させたのでした。
人間って不思議ですよね。
父の場合はなんですが、せん妄の内容が父を病気の苦しさから逃れさせてくれたように思いました。
ただ、報道された方のようなせん妄もあるのかと思うと悲しくなりますね。
人間が持つ痛みや苦しみから逃れる脳の働きかもしれないけれど、知らないとかなりびっくりするんだなと思いました。
Life Is Good !